水シミができないシザーケース 誕生秘話

2018/05/29

水シミができないシザーケース 誕生秘話

「今使ってるシザーケースがシミだらけになっちゃって・・・。シミにならない革ってないですか?」



他社のヌメ革のシザーケースを使っていたスタイリストさんの言葉です。

シミも自分の成長とともについてきたと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、シザーケースはきれいに使いたいと思う方もいらっしゃいます。
かくいう私も、ヌメ革のシミや汚れはあまり好きではないので、このご意見には激しく同意できます。

「”水に弱い”という革の欠点を補うことができたら、多くの理美容師様のお役に立てるのでは?」
と思い、防水の素材を探していたところ、この革に出会いました。



3Mスコッチ・ブライト™基準をクリアした防水防汚性能



防水性能は、革1枚1枚が3M社の認定機関のテストをクリアしたお墨付き。
さらに、防油効果も備えている為、皮脂やスタイリング剤などに含まれる油脂をブロック。革に好ましくない油脂が浸透することを防ぐことはもちろん、油脂や水分と一緒に汚れが革に浸み込むことを防ぎます。
だ・か・ら!きれいに使えるのです。



この製品の為に特注した、弊社オリジナルシュリンク加工!

素晴らしい防水性能を持つ革に出会えた時点で、私は既に興奮しておりました。しかし、あと少し。もう少しの手間を加えることで、求めているデザインを実現できる!
そう確信し、特注でシュリンク(薬剤により、革本来の地シボを強調したシボを入れる加工)を依頼。



シュリンクって?シボって?

シュリンクとは、薬品を加えて革を収縮させて、深いシボを付けること。シボというのは、革独特の凹凸としわ感のことです。
シュリンクさせることで、風合いが良くなるだけでなく、革の繊維が凝縮するので、革が丈夫になり、弾力が出て高級感を感じることができます。

シュリンクは塩梅が大事

何事もほどほどが一番。革の加工においても同じことが言えます。
もっとわかりやすくくっきりとシボを付けることもできますが、やりすぎると品がない。程良いところが一番おしゃれなので、その絶妙なラインを追求しました。

弊社のような小さなブランドが特注の革を作るなんて、もはや無謀ともいえるような愚行(しかも1st.ロットで4色!!)

しかもシュリンクレザー。
シュリンクすると革の表面積が縮み、歩留まりが悪くなります。面積で価格が決まる革素材においては、シュリンク加工で価格が上がってしまうのです。
どうしても、価格は1万円台に抑えたかったこの商品においては、コストはできる限り抑えたいのが本音。


懐具合は火の車ですが、仕上がった革を見て、全ての憂いは吹き飛びました。



美しい
それに尽きます。
きっといいシザーケースができる。それも、今までに無い、多くの方のお役に立てる逸品になる。そう確信しました。

全行程メイドインジャパン


製作は、私ミコガイと、草加のベテランの職人Mさん、そして若いながらも優秀な千葉のYさんが行っています。
誰が作っても同じクォリティになるよう、密に意見交換を行い、技術指導を行ってまいりました。革の特注から製作、出荷まで、全ての工程を国内で、私の管理できる範囲内で行っております。
信頼できる確かな品質の、”本物のメイドインジャパンプロダクトです。