ダッカール用ベルトはただでさえ傷みやすいパーツ。さらにこのモデルはブラシを押さえる役目も果たしている為、特に丈夫に作る必要があります。へりの厚みを調整し、鉋で角を落とした革を芯として仕込み、3枚の革を貼り合わせています。
手縫いしたパーツのコバを鉋で整えました。この後やすりがけ→染め→磨き→捻入れ→磨き→やすりがけ・・・と繰り返します。
ラウンドした部分は一度に正確に裁つことはできません。細かく刻んで滑らかなラインを作ります。
手縫いの穴を開けています。この段階では印程度。キリで穴を貫通させながら縫い進めます。
厚みの調整。一番多く重なるところで革8枚を貼り合わせています。分厚くならないよう、0.0○mmという単位で革の裏を漉いていきます。
銀面(革の表面。吟面とも書きます。)はノリが効きにくいので、包丁で荒らしてからボンドを塗ります。荒らした面が見えると不恰好なので、定規を当てて正確に。
マチ(側面の奥行きを作るパーツ)も表と同じイタリア産ヌメ革を使用した贅沢な作り。見た目の美しさだけでなく、型崩れを防ぎ、衛生面においても安心感があります。
しっかりと圧着することで接着剤は効力を発揮します。制作物を傷つけないよう、革を巻いたエンマ矢床を使用しています。
貼り合せた後の端のチリは、鉋や裁ち包丁で落とします。
この後は手縫い→端の処理と作業はまだまだ続きます。
ダッカールベルトと金具が邪魔をする為縫うのに難儀します。ギリギリの際を縫い目に設定している為ミシンで縫うことは不可能です。裏側もできる限りきれいに縫い目が揃うように・・・。
ベルトの面取り中。鉋がけ後ペーパーで整えます。このあとまた染色からのコバ磨き。美しく丈夫に仕上げる為の大事な工程です。
S06-3